ニモと自由と健康
体調が悪くて病院に行った。病院の待合室には水槽があり、そこではニモみたいな魚とドリーみたいな魚とバブルスみたいな魚が泳いでいた。バブルスは『ファインディング・ニモ』に登場する黄色い魚だ。名前は知らなかったので今調べた。
魚は水槽の中で自由に泳ぎ回っていたが、果たして本当にそれが自由なのか疑問に思ってしまった。
魚とは本来海や川などのもっと広い場所を泳いでいる生き物なのではないか。水槽に入れられている時点で自由ではないのではないか。とはいえ海も無限の広さはないから、有限な環境を泳いでいるという意味では、海も水槽も変わらないのではないか。
地球の広さも有限だ。私たちは本当の意味で自由に生きていないのかもしれない。海の広さを知らなければ水槽の中でも十分自由に生きられる。人間はどうだ。宇宙の広さを本当には理解していないし、地球を隅々まで歩いた人はいない。
限られた世界で生きていくことは、本当に自由なのか。疑問に思い、しばらく水槽を眺めた。
体調が悪いと言っても、めちゃくちゃ痛くて辛いです生活できません、みたいなことではなく、普段痛くならないところが痛かったので不安になって病院に行ったわけである。それを先生に伝えたら「偉いね!痛くなってからでは遅いからね。少しの違和感が早期発見に繋がるんですよ」とえらく褒められた。
基本的に検査全般は嫌いだが、なんとか耐えた。採血は寝ながらやってもらったが、それも耐えた。
待合室に戻ったときには魚のことはすっかり忘れて別の椅子に座った。本を読みながら待った。
検査結果を聞きに2週間後にまた病院に行く。自由についてはよくわからないけど、ひとまず健康だと良いなあ。